ご挨拶|ヘルスケアワーカーキャリア学会は、学問的・実践的立場からキャリアを探求し、成果を社会に還元。

ヘルスケアワーカーキャリア学会
ヘルスケアワーカーキャリア学会とは

ご挨拶

本学会は、主に医療・介護・保健・福祉の分野におけるヘルスケアワーカーが主体的にキャリアを歩んでいくことを支援する学会です。

本学会では、キャリアをD.T.Hallの定義に倣い、
「人の生涯にわたり、仕事に関連した諸処の体験や活動を通して個人が自覚しうる態度や行動のつながり」
Douglas T. Hall. (2002). Careers In and Out of Organizations. Sage Publication. p.12.
と考えています。

すなわち、本学会におけるキャリアの考え方は、昇進・昇格や資格取得、あるいは技術や技能の習熟といった、次に何を目指すのかといったことだけにとどまらず、人生の様々な節目をどのように越えたかや、環境の変化の中でどうかじ取りをしたかなど、生涯を通して歩む道のりのことをキャリアと捉えています。

設立を決意したのには、大きく分けて二つの理由があります。
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互いのキャリアを知る
一つ目は、多職種連携が当たり前に語られるようになったものの、互いの職種のキャリアについては、知らないことが多いのではないかという点です。チームを組んだり連携したりする中で、その仕事が自らのキャリアに与えた影響や、他職種から学べて成長できたことなどを共有する場があれば、もっと豊かに仕事人生を送ることができるのではないかと思います。

互いのキャリアを知る

同じ業種の中で、人材育成や教育について考えることも大事です。しかし、人びとの生きること、死ぬこと、暮らすことを支えるヘルスケアワーカーには、仕事を通して学ぶことがたくさんあります。直接、間接に人びとへの援助を通して喜びや乗り越えたことなどを語り、互いのキャリアについて議論し、自分たちの仕事への理解を深め、ヘルスケアワーカーとして成長することについて少し立ち止まり、そこから生まれる知を明らかにする。そんなことをこの学会でしていきたい、そういう夢をもっています。
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キャリア学の発展
二つ目は、ヘルスケアワーカーのキャリアについての実践知や学問知を「キャリア学」として発展させたいということです。私自身がこれまでコミットしてきた学会や研究会等においては、既に人材育成、教育、能力開発等に関する制度が議論され、各施設での取り組みが紹介されています。しかしながら、それらの内容が新しい知見として拡がる、あるいは深まるということはそう多くはありません。また、管理者からみた制度や仕組みにまつわる議論が多く、個人が主体的に自らのキャリアを選択し、そこでどう生きていくのかという視点は十分ではありません。

キャリア学の発展

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キャリアはきわめて個別の話ですが、本学会の議論からヘルスケアワーカーのキャリアに関する知見を生み出すことができれば、現場で働く人たちが長く誇りを持って仕事をすることの意義が言語化されます。そして、これからの世代を支える後継者育成に貢献できます。
資格の有無は問いません。事務職や補助関係の仕事の方も大歓迎です。これまでまったく知らなかった傷病名を見聞きしたり、人の苦しむ姿や回復過程での喜びを目の当たりにしたりします。それが、自分自身の人生にとってどういうことなのかを語る場を提供したいと思います。
仕事経験をこれから積もうとしている人たちや学生にも是非参加していただきたいです。誰もがつまずきがちな困難にどう向き合うか、苦手な先輩とどうつき合うかといったことは、キャリア初期の課題だと認識しているからです。
直接ヘルスケアに関する仕事でなくても、学者やマスコミ関係の方、そして市民の方々など、上記のことに関心を寄せてくださる方ならどなたでも参加していただけます。皆さんの参加をお待ちしています。
ヘルスケアワーカーキャリア学会
学会長  勝原 裕美子

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